大学コンソーシアム富山が主催する「2017合同企業訪問」のコース別ミーティングは9月15日、富山大学五福キャンパスで行われ、同コンソーシアムに所属する県内7高等教育機関の学生231人(内富山大学生108人)が9月20日、22日に実施する職場訪問研修に備え、ビジネスマナーや県内企業について理解を深めた。
合同企業訪問は,専門分野や学年が異なる他大学等の学生と共に,社会人としてのマナー,富山県の魅力や県内企業について事前学習を行い,実際の就業現場を見,そこで働く大学OBや県外から就職した若手社員との意見交換等を行うことにより,県内企業の魅力を知り,就業意識の向上を図ることを目的に開催するもので,2013年から行われており、今回で5度目。学生は,20日は8コースに分かれて18事業所、22日は7コースに分かれて15事業所を訪問する。富山県が共催、富山労働局が後援し、訪問先としては銀行・保険、製造業、小売業、情報・通信・印刷、マスコミなどの一般企業のほか、県庁、富山西警察署などを予定している。
はじめに富山大学就職・キャリア支援センター長の清水正明副学長が「訪問先で働く人々の姿をしっかり見て、県内企業の魅力を学んで来てください」と学生を激励した。
続いて株式会社「理想経営」の伊藤恵美さんが講演し、ワークショップ形式でビジネスマナーについてアドバイスを送った。伊藤さんは「ビジネスマナーとは、思っていることを自然に相手に伝えられることが大切です。申し訳ないと思ったら深く頭を下げるなど、敬意や思いやりの気持ちを行動で表しましょう」などと述べた。学生は具体的な指摘を受けながら、実践的に社会人としてのマナーを学んだ。
また、伊藤さんは「調べればわかることは聞かない」「何を知るためかを考えて、効果的な質問を考える」などと述べ、学生たちには、積極性や礼儀正しさをアピールする一方で、「事前準備ができていない」と企業側から見られることのないように気配りが必要であるとアドバイスした。
次いで,富山県商工労働部労働雇用課の廣瀬智範雇用対策係長が、女子学生限定の「就職応援カフェ」や、父母向け就職セミナーなど県が実施している就職支援事業について紹介した。
この後、学生は20日・22日に参加する合同企業訪問のコースごとに分かれて企業研究を行った。22日に「銀行・保険コース」として北陸銀行と損害保険ジャパン日本興亜富山支店を訪問するFグループは、富山大学人文学部の竹村卓教授の指導の下、自己紹介を行い、リーダーを決め、訪問先について調べてきた企業の情報を交換し、聞いてみたいことなどを発表した。学生が考えた質問の内容は、「どういう人がこの会社に向いていると考えますか?」「海外出張はありますか?」「やりがいを感じる時は?」など。
竹村教授は「最近、人文学部生向けの印刷物に『就職活動は売り手市場といえども、全員が第一志望の企業から内定を得られるわけではない』と書いたばかり。積極的に取り組んでほしいと思っています。学生の質問の内容がしっかりしていたので安心しました」と話した。
ある学生からは、「父が保険業に携わっていたこともあり、銀行・保険コースを選びました。今は業種・職種を絞らず、いろんな企業の仕事を見てみたいと思います」と意欲を見せた。